運命なんて信じたくない

自由奔放なあなたが、かえってくる場所であれば良い。

知りたい

「なんで…」

戸惑うには十分だった。

 

平静を保ちつつ「どうしたの?」と返すとすぐに既読がついた。

 

颯太の考えが読めない

ヤリモク?

たまたま思い出した?

気まぐれ?

相談事?

いろんな可能性を考えていた。

 

「なんでもないよ、ただ連絡してみただけ」

「なにそれ、元気してるの?」

 

ああ、気まぐれか。

と、少し納得した。

 

こういう適当な所がある人だったな…

 

 

戸惑い

 

 

8年前、私は彼が大好きだった

一目惚れだった

底抜けに明るい笑顔が好きだった。

 

優しく気遣える所も

頭もよく器用な所も

運動神経がいい所も

 

香ってくる匂いも

少し高めな体温も

壊れ物に触れるみたいに大事そうに触れる所も

愛おしそうに見つめてくるその目も

 

彼の全てが好きだった。

まるで麻薬みたいな存在だった

 

隣り合うピースが見つかったみたいに

上手く噛み合って動く歯車みたいに

 

当時は「運命だ」

本当にそう思った。